血栓

15年目に入った大型犬。

朝はフードも食べて、散歩も行った。

飼い主さんは、昼過ぎに犬が急にソワソワしていると感じた。

いつもは吠えない犬が吠え続けている。

来院時には後躯麻痺。

両後肢ナックリング。

脊椎等の触診では異常部位が分からない。

診察していく中で、後肢の冷感あり。

血栓を疑い、2次病院での診察を提案して了解をいただく。

翌日、飼い主さんが検査結果をお知らせに来て下さる。

結果は、やはり血栓によるもの。

飼い主さんは、ドクターの提案による。血栓溶解薬の使用をやってみる事にしたと言う。

私より年配の飼い主さんが、長年家族として暮らしてきた老犬の病気に際し、

もっと気を付けてあげれば良かった、

もっと、ワンドックなどもやってあげれば良かった、と

涙を流しながらお話をして下さった。

各種ワクチンもフィラリアもされていて、

決して何もやっていなかった飼い主さんではなかった。

出来る事は、しっかりされている飼い主さんと言って良いと思う。

むしろ、こちら獣医側が、ワンドックなどの検査の意義やメリットを、

飼い主さんの皆さんに、もっとしっかりと伝えるべきだったかもしれません。

長年、傍にいて、自分より速いスピードで年老いていく子が、

難しい病気になった時、涙を流す事が出来る飼い主さんは素敵ですし、

そういう飼い主さんの家族となれた子は、良い一生だったと思います。